手術後の嫁
嫁の元気な姿を見ることは二度と無かった。
手術は失敗だったのだ。
所詮はただのセロテープ
ピチピチだった彼女の肌は見る影もなく衰え、
日に日に元気を無くし、座り続けることもできなくなっていた。
あれほど俺に尽くしてくれた嫁に何もしてやれない不甲斐ない自分が腹立たしかった。
何とかしてやりたい。
元気な姿を取り戻してやりたい。
しかしそんな弱り切った彼女に俺は
夜の奉仕を求め続けた。
嫌がる彼女に無理やりである。
鬼畜と思われるかもしれないが
俺はやる時にはやる男だ。
カッコつけた事を言いながらも傷口はさらに開き続けた。
余命わずかとなった嫁
そんな生活を続けて彼女の容体が良くなるはずもなく、
ついには行為の最中にシュコシュコしないと原形を保てない所まで病状は悪化した。
「あぁ~もりあがってきた~」
シュコシュコ
「わぁ気持ちよくなってきたぁ~」
シュコシュコシュコ
「もうイっちゃいそ~~~」
シュコシュコシュコシュコ
さすがにこんな事をやっていてイっちゃえる訳がない。
だが俺はもう透明な空気の物体なしの生活には戻れない。
あっ、買い直せばいいのか。
おいおい
俺はそこまで人でなしではない。
俺は必死に看病した。
彼女の股間は既にセロテープまみれだ。
セロテープがカサブタのように取れた時は驚いた。
このあたりが限界だろう。
万策尽きた俺にできることは一つしかない。
もう覚悟するほかはないだろう。
「綿嫁」として蘇らすことを・・・
嫁を生き返らせる決心

俺は覚えていた。
かつて読みふけったラブドールの体験レポートという名の熱い論文を思い返してみる。
そこには「綿嫁として復活」という記述があった。
酷使された空気嫁に綿を詰めて復活させる儀式である。
この世を去ったはずの空気嫁が「綿嫁」として蘇るとは・・・
もう黒魔術としか言いようがない。
論文改め「魔術書」には、このように記されていた。
「透明じゃないのがイイ!」
「ほどよい重さが現実味をかもしだす」
「頭と胸付けたら本物にしか見えない」
「もう破れる心配もないから好き放題責めれるぜぃ!」
何という事だろう。
元の空気嫁を上回る性能を有しているとは・・・。
そして何より夢にまで見た俺の嫁の顔がおがめるのが嬉しい。
空気嫁はわずか1ヶ月足らずという短い付き合いだったが、
そんな嫁を「燃やせるゴミ」としてポイするのは余りにも忍びない。
中身を入れ替えられた彼女が
はたして本当に以前の彼女なのか?
などという
どこかのアニメのヒロイン哲学も気になるところだが。
俺は彼女のスベスベの肌にメスを入れる決心をした。
「禁断の秘術を駆使して俺の嫁を蘇らせてやる!」
期待と不安と欲情を胸に俺はそう決心するのだった。
つづく

