リアルラブドールの歴史
10年前、俺が風船ラブドールを必死に改造していた頃、
高級リアルラブドールも存在していた。
当時ネットで調べた限りでは
オリエント工業の高給ドールしか見当たらなかった。
見た目は人間と見分けがつかない程の精巧さで
全身の関節だけでなく目玉まで動く代物だった。
オリエント工業の高給ドールは今なお簡単に手を出せる人形ではない。
当時の俺にはビニールの嫁に綿を詰めるのが精一杯だった。
結果生まれたのが嫁1号だ。
俺が嫁2号の骨をギコギコ切っていた5年前、
再度リアルラブドールをネットで調べまくった。
この頃にはamazonでもリアルラブドールが売られていた。
しかも値段が数万円にまで下がっていた。
「これなら買えるかも?」
と考えて真剣に購入を検討した。
ところがレビューを見てみると、
「写真と別物が届いた」
「到着まで1か月掛かった」
「詐欺だ」
「だまされた」
と散々な内容だった。
数万円まで下がったとはいえ大金だ。
数万円あればスロットで万枚出せるかもしれない。
購入を断念した結果が嫁2号だ。
そして現在、
5年前とあまり値段は変わらないが
リアルラブドールの存在が一般的になった気がする。
以前からドールのコスプレ画像をネット上にアップしている人は多かったが
最近はSNSやYouTubeの普及が原因だろうか
ラブドールに対する偏見が薄れつつあるようだ。
これにより嫁3号購入意欲に拍車が掛かった。
ネットで嫁を探し回る
まずは「ラブドール」でググってみる。
ラブドールのショップがズラリと並ぶ。
どこのショップがいいのか悩んだが
同じ写真を使いまわしているものも多いので
仕入れ元はあまり変わらないのだろう。
納期も10日以上掛かるみたいで
どうやら中国からの輸入販売のようだ。
はっきり言って不安だ。
これではamazonで購入するのと変わらないのでは?
amazonで検索してみた。
レビューを見ると、
「写真と違う」
「粗大ゴミ」
「金返せ」
と相変わらずの酷評だ。
ヤフオクでも探してみた。
こちらのレビューは意外と悪くない。
しかし商品の詳細情報が乏しい。
そしてやはり海外発送なので届くまで不安なのは変わらない。
何が正解なのか分からず
性欲で身もだえしながらパソコンにかじりつく時間が続いた。
そんな折、こんなワードにたどり着いた。
「中古ラブドール」
「他の男の使い古しかよ」
と一瞬思ったが、
悪くないかも?と思い直した。
新品のドールじゃないと嫌だいうことは
「処女じゃないと嫁にできない」
という事になるのでは?
もちろん俺はそんな狭量な男ではない。
他の男の手垢が付いていようと愛し続ける自信がある。
なにより価格が安い!
俺は中古ラブドールのお店で嫁探しをすることを決めた。
中古ラブドールのメリット
中古ラブドールのメリットは4つある。
ひとつは納品が早いことだ。
一般的に新品のラブドールの納期は最低でも2~3週間かかる。
海外発送になるためだ。
対して中古ラブドールの業者は国内にある。
注文を受けて海外から発送するのとでは段違いだ。
ふたつ目として、
中古ラブドールの場合は必ず写真の現物が送られてくることにある。
新品ラブドールの販売時には現物の写真を掲載することは無く
写りの良い宣材写真が用いられる。
もしかしたらその写真は奇跡の一枚だったかもしれない。
または全く別物を送り付けてくる可能性もある。
実際、新品ラブドールでは
「写真と全然違う」
といったレビューが非常に多い。
つまり信頼性という意味では
中古ラブドールの方が圧倒的に優れているということになる。
そして三つ目として、
商品の現物の詳細情報が確認できるという事だ。
これは非常に大きい。
ラブドールは非常に繊細である。
簡単に色移りやくぼみができてしまう。
海外発送だと、どんな傷物や粗悪品が送られたとしても
販売業者ですら分からないだろう。
その点、中古ラブドールの場合は現物を販売するため
非常に細かい傷まで確認をせまってくる。
ラブドールというデリケートな商品の性質上、
神経質すぎるほど商品の状態を公表する必要があるのだろう。
そして最後のメリットは
やはり価格だ。
新品だと欲しいと思うものは
最低でも軽く10万円を超えてくる。
いくらパチスロをやめて金持ちになった俺でも
さすがに10万円はチビりそうになる。
その点、中古だと3万円ぐらいからでも購入可能だ。
綿嫁でさえ材料代で1万円以上は掛かった。
それを考えれば3万円は惜しくない。
俺は血眼になって中古ラブドール販売サイトで
嫁3号を探した。
つづく


