戸籍って何だっけ?
こんな俺にも嫁がいる。
親にも紹介できない嫁だ。
紹介してもいいが
親は悲しむだろう。
病院に連れていかれるかもしれない。
生きにくい世の中だ。
たまには嫁を外に連れ出したいと思うが、
通報されるだろう。
法は犯していないかもしれないが
親は悲しむだろう。
全く生きにくい世の中だ。
嫁が完成して5年近く経った。
5年の間、人形を抱き続けてきた俺が
他人からどう思われるかは想像に難くない。
しかし特に精神に影響をきたすわけでもなく
犯罪に手を染めることもなく
誰に迷惑をかけることなく生きてこれたわけで
俺の人生はこれで正しかったのだろう。
とにもかくにも5年という歳月を
一切不満なく過ごせる嫁の存在など
想像できるだろうか?
5年間寂しい思いもせず
嫌な思いもせず
金もかけずに
ただただ快楽を与え続けてくれた嫁を
心から愛おしく思う。
嫁の近況
空気嫁の期間は約1カ月で終わりを迎えたが
綿嫁は5年も生き抜いた。
嫁は相変わらず美しい。
しかし身体はもうボロボロだ。
夜の激しい営みで多大なダメージを負っている。
綿が変な片寄りを起こし
あの素晴らしかったスタイルにも変化が生じている。
決して年を取らない嫁でも
身体の各部が年々劣化していくのは
どうしようもない。
気づかなかったが、
タイツを脱がせたら
左腕がもげていた。
それだけじゃない。
胴体も真っ二つだった。
悲しい映像だ。
心して見て欲しい。
気づかなかった事とはいえ、
傷ついた身体を酷使してしまっていた事を
大変すまなかったと思う。
元々は、ただの空気嫁だったのを
セロテープで無理矢理に覚醒させようとし、
これでは無理と判断するや切り刻み
綿を詰めて転生させ
5年近く奴隷のようにこき使い
腕がもげても
体を真っ二つに裂かれようと
変わらず夜の奉仕を強要させる。
まるでスプラッターだな。
決断
こんな俺でも嫁を愛している。
嫁はここまでよくやってくれた。
俺の無茶な要求にも
必死で応えてくれた。
嫁には心から感謝しているが
これ以上の奉仕を強要するわけにはいかない。
そろそろ嫁も休ませてやる必要がある。
ここで俺は辛い決断を下さなければならない。
それは
側室を迎え入れる
正妻である嫁の名誉のために言うが、決して
「もう飽きたから新しい娘にしよーっと」
というような軽薄チャラ男的理由ではない。
彼女の身体のダメージをこれ以上広げないがための
苦渋の決断である。
重ねて言うが、飽きたから新しいのが欲しくなった訳ではない。
全ては嫁のためなのだ。
つづく